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DATE : 2025/05/04 (Sun)
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DATE : 2007/04/08 (Sun)
テレビアニメに続いて劇場用アニメ映画が作られることになり、その原作とするために描かれた長編漫画を「大長編ドラえもん」と呼ぶ。

第1作『のび太の恐竜』は、短編作品としてすでに発表されていたものに加筆したもの。コロコロコミック1980年1月号から3回にわけて漫画版が連載され、1980年3月15日にアニメ版が劇場公開された。

それから毎年、映画制作スタッフや原作者がストーリーを構成し、映画公開までに漫画版を集中連載し、漫画が完結したすぐあとの3月初旬から中旬に映画版を公開するというスケジュールが確立された。『のび太のねじ巻き都市冒険記』を最後に原作者は亡くなり、原作者死去後の『のび太の南海大冒険』(1998年)から、『のび太のワンニャン時空伝』(2004年)までは、映画制作スタッフによるオリジナルストーリーで映画の制作が継続しており、映画のストーリーを藤子・F・不二雄プロが漫画化している。

また短編に比べて物語の規模が大きいのが特徴。短編では狭い町内を舞台に数人の友達だけで物語が進むことが多いが、このシリーズでは大昔の地球や他の惑星といった非日常の世界を舞台に、その世界の住人や強力な敵などさまざまな人物が登場する。毎回『のび太の――』『のび太と――』とタイトルに付けられている通り、のび太たちの成長と活躍が主に描かれている。いつもはダメな少年のび太が、冒険が始まると露骨にかっこよくなる(いつも通りの失敗などもあるが、ゲストキャラクターを助けて奔走したり、敵に果敢に立ち向かったりといった描写が多くなる)、という指摘もある(『のび太と銀河超特急』ではスネ夫までが、のび太をさして「大長編になるとかっこいいことを言う」と発言し認めている。そしてジャイアンが好人物になるといわれることもある)。

このシリーズでは主要なメンバーがのび太、ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、しずかの5人に固定されており、基本的に5人とその話のゲストキャラを含めた自力で危機を解決する。タイムパトロールなど例外はあるが、第三者、ことに「現在の地球にある存在(小は出木杉やのび太の両親、大は自衛隊や国際連合など)」が問題解決の本筋に介入することはない(ただし、のび太と鉄人兵団では、自衛隊や警察に協力要請をする電話をするが相手にされないという描写がある)。

こうした事情のため、短編とは人間関係がやや異なる。たとえば、短編ではジャイアンスネ夫のび太をバカにしたり仲間はずれにした仕返しに(ここまでは大長編でも導入によく使われる)、2人(特にジャイアン)を仲間はずれにして、静香や他の町の同級生たちと道具で遊ぶことがある。しかし、大長編ではジャイアンを締め出そうとして失敗することはあっても、結局は仲間になる。逆に、短編なら不特定多数の町の子供を誘うような場合でも、大長編では「いつもの5人」以外の町の子供は絶対に仲間に入れず、興味を持たれると嘘をついて追い返している(『のび太と雲の王国、のび太の日本誕生』など)。

1988年公開の映画『のび太のパラレル西遊記』のみ漫画が執筆されなかった。そのため『のび太の日本誕生』以降の作品の漫画版は、映画版のそれよりも作品数が1つ少なくなっている(例:のび太のワンニャン時空伝は、映画としては25作目であるが、大長編としては24作目)。

てんとう虫コミックスの単行本はのび太の海底鬼岩城 (VOL.4) 第1弾として発売され、その後のび太の恐竜 (VOL.1) →のび太の宇宙開拓史 (VOL.2) →のび太の魔界大冒険 (VOL.5) →のび太の大魔境 (VOL.3) →のび太の宇宙小戦争 (VOL.6) という順で発売された。そのため、のび太の恐竜のび太の宇宙開拓史には映画主題歌を歌詞がかかれたページが存在するが、のび太の海底鬼岩城には主題歌の歌詞が書かれたページが存在しない(藤子不二雄ランドの単行本では存在する)。なお、のび太の魔界大冒険にも同様のページは存在しない(同作の主題歌「風のマジカル」は使用契約期限の関係でビデオやDVDにも収録されていないため、同種の理由により掲載されていないのだとする説がある)。また、のび太と雲の王国 (VOL.12) も作者病気のため原作が執筆されず、数年後に執筆されたため、次ののび太とブリキの迷宮 (VOL.13) よりも後に大長編ドラえもんが刊行された。

表紙には『大長編ドラえもん VOL.** のび太の(のび太と)――」と記されている(**は通し番号)。F先生死去後の作品はVOL.**の部分の背景が黒く塗られているほか、「まんが版▽映画シリーズ」という文字の追加、作者が「藤子・F・不二雄プロ」となっている。また、映画の同時上映作品や関連作品の書き下ろし漫画作品も同時に収録される場合もある。

ドラえもん のび太の恐竜2006』(2006年公開)以降の作品に関しては単行本は発売されていないが、映画『ドラえもん のび太の恐竜2006』公開時には「特製アクションバッジ」とセットになった『のび太の恐竜』の単行本が、『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~』(2007年公開)公開時には「マジカル両面ストラップ」とセットになった『のび太の魔界大冒険』の単行本が発売された。また、映画『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~』は藤子・F・不二雄プロ在籍の岡田康則により、漫画版が『ドラえもん映画ストーリー のび太の新魔界大冒険』としてコロコロコミックに掲載された。

てんとう虫コミックスとして発売されている「大長編ドラえもん」の他に、小学館コロコロ文庫から文庫版としても発売されている。しかし、文庫版は作者の存命中に執筆された作品しか発売されていない。

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